令和3年11月号
新型コロナウイルス濃厚接触者・感染者への訪問対応を振り返って
みなさん、こんにちは。訪問看護ステーションちぇろっと管理者の廣門優子です。 筑豊地域を中心に訪問しています。スタッフは現在、看護師11名、介護士4名、栄養士1名、調理師2名、事務1名で、訪問看護だけでなくホームホスピスの運営もしています。 ステーションの名前である「ちぇろっと」は、イタリア語で「cerotto」=「絆創膏」という意味です。私は、絆創膏の役割は、程よく繋ぎとめ、覆って守るもの、絆創膏の役割のように利用者様の在宅療養生活を守っていきたいと思いを込めて、「ちぇろっと」と名付けました。 さて、当事業所は、第3波、緊急事態宣言2回目の前ぐらいの時期に、コロナウイルス濃厚接触者・感染者への訪問対応を経験しました。この時期は第1、2波とは比べ物にならないほど、日に日に感染者が増加、不安を募らせていたのを覚えています。簡単ではありますが、その時の事例を報告いたします。
<事例紹介> A氏 男性 80歳代 要介護4 左乳がん 独居 家族が交代で身の回りの世話を行う 訪問回数:1日1回の訪問 ケア内容:バイタルサイン測定、状態観察、創部の処置(左胸20p×10p表皮剥離) (状況)孫が帰省され、A氏含めて親族で食事会を実施。その5日後、孫がコロナ陽性者となる。A氏に発熱症状等見られないが、濃厚接触者の為、PCR検査実施となる。7日目、A氏の陽性判明し保健所に報告。訪問にあたっていた当事業所スタッフ3名、A氏の濃厚接触者となり、PCR検査実施となる。検査結果が出るまで、A氏への訪問は、スタッフ1名固定とし、他スタッフは自宅待機。訪問スタッフは、感染防護対策だけでなく、訪問後はすぐに入浴することを徹底。9日目、スタッフ3名陰性判定、保健所より業務復帰可能の連絡を受け、通常業務にあたる。10日目、家族よりA氏が発熱していると連絡あり、保健所へ報告し、同日入院となる。
この事例を振り返り、この時期はまだワクチン未接種の状況で、濃厚接触者となってしまったスタッフに不安はあったと思いますが、日頃からガイドラインに基づき、標準予防策の実施や発生時の対応フローチャートも徹底していたので、滞りなく対応できたのではないかと思います。当時は、ガウンの入手が困難だった為、レインコートで代用し工夫していたのを思い出します。 また、スタッフ3名が濃厚接触者となってしまった為、訪問スタッフが減り、他スタッフや訪問スケジュールに大きな影響がでてしまうところでしたが、当時、悪天候の大雪に助けられ、訪問を数件キャンセルさせていただき、幸い少ない人数で対応し、乗り切ることができたのも思い出します。 発熱後すぐに入院でき、回復したA氏。退院後は、当事業所の訪問も再開し、家族に見守られ、自宅で看取ることができました。 現在コロナ感染者数は下火になっていますが、第6波がくると言っている方もいます。この経験した今、利用者のワクチン接種状況を把握し、接種を促す説明をすることもあります。また、物品の確保や対応策など、定期的にスタッフと共有するようにしています。 今後も可能な限り、対応・対策実施し、安心して自宅で過ごせるお手伝いができるようにスタッフ一同、全力で取り組んでいきたい思っております。
訪問看護ステーション ちぇろっと 管理者:廣門 優子 〒820-0207 福岡県嘉麻市口春405番地の4 Tel:0948-42-1615
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