コールセンター事業とは
パンフレット
参考資料
各種情報提供
(ダウンロード可)
Q&A
掲示板(お問い合せ)
『レゴ ブロック』を使いながら楽しく学ぶワークショップ
〜LEGOワークショップ
今立内科クリニック
今立 俊輔

 今立内科クリニックは久留米市にある町の診療所である。2年前に医師3人体制になった事をきっかけに在宅医療にも関わらせていただくようになり、ご近所の訪問看護ステーションさんにご協力いただきながら、地域の中で最期まで患者さんに関わらせてもらっている。

 そんな看護ステーションさんとのご縁もあって、今回の原稿を書かせていだだく機会を頂いた。

 さてさて、一体何を書いたものか。
 そもそも普通に「ですます調」で書くべき原稿だったのではないかと、ここまでの文章を少し後悔しながら筆を進めているのだが、今回は私たちのクリニックで取り組んでいることについて紹介したいと思う。

 実は、今立内科クリニックは医学教育にも積極的に関わらせてもらっている。そして、実習に来てくれた医学生たちにレゴブロックを使った、ちょっとユニークな学習評価を行なっているのだが、その「LEGOワークショップ」について、少し小話を書いてみる。たわいもない読み物だが、最後までお付き合いいただければ幸いである。
 



 「今立くん、学生がワクワクするようなワークショップを考えてくれない?」。
 長年お世話になっている先輩ドクターのN先生から声をかけられた。
 聞けば、九州中から医学科、看護科、社会福祉学、薬学部など90名の学生がやってくるのでそこで目新しいワークショップをやれないかという話だった。

 N先生とは研修医の頃に知り合い、今は大学で地域医療を担当されている先生だ。わたしが離島医療に従事していた事もあって、ちょくちょくN先生のセミナーに呼ばれては学生に話をさせてもらっているが、実はN先生が私によく言うセリフがある。それは、困った時の神頼みならぬ「困った時の今立頼み」。

 嫌な予感がしながら、
 「で、N先生それはいつですか?」と聞くと、
 「ん〜、実は1週間後‥(てへペロ)」

 医療業界あるある案件で言うところの「先輩医者からの絶対断れない無茶振り」というやつだ。言うまでもなく、私は学生90名相手のワークショップを引き受けることになった。その1週間後、ある手法で90人を相手に目新しいワークショプを行い、無事この苦難を乗り越えるのだが、これが「LEGOワークショップ」が生まれるきっかけだった。

 ところで、皆さんは、こんな経験はないだろうか?
 「同じコトについて話し合っているのに、話が噛み合わない」

 「地域包括ケア」や「地域医療」というワードで、特にそんな事が起こりやすいように感じる。「地域」という言葉は小学生でも知っているような言葉だが、この理解はとてもむずかしい。人によって「地域」の理解が異なるからである。地域を「自分がすむ街」とする事もできるし、「へき地や離島」と設定する事もできる。住む場所や立場が違えば見える地域の風景も異なる。「病院医師」と「町医者」では地域の捉え方はおそらく違うだろう。

 互いの理解を確認しないままに話し合う事で議論が空中戦になってしまい、その結果、話が噛み合わずモヤモヤして終わってしまう。これまた医療業界あるある風物詩の一つのように思う。

 LEGOワークショップはそんな問題を簡単に乗り越えてしまう優れものである。手法は簡単。『あなたの頭に思い浮かんだ「地域包括ケア」をブロックで作ってください。その上でディスカッションしましょう。』と言えばよい。目に見える形で話し合い、お互いの「理解の違い」を「理解」しようというものである。

 さて、先ほどの学生ワークショップの話に戻る。
 結局私は何をしたかというと、yahooオークションで大量のジャンク商品のレゴブロックを購入。会場に持ち込み、「多職種連携」を「多職種の学生」に作らせたのだ。医学、看護、薬学、福祉それぞれの専門性で全く違うプロダクトが出来上がり、それを題材にディスカッションさせ、協働して作品を作り上げてもらった。結果は盛況だった。

 レゴブロックはなかなか良い。見た目にも楽しく、初めての人でも案外簡単に作れる。何より自分の考えをわざわざ言語化する事なく、イメージをそのまま他人と共有できる点は素晴らしい。口下手な人も口達者な人に負ける事なく議論に参加できる。

 最近は今立内科クリニックに在宅医療実習にきた医学生に対して、実習前後で作品を作ってもらい、何を学んだかを実感してもらう学習評価にも用いている。
学生の反応は様々だが、彼らが地域の中で何を感じたかが見えてくるので、指導医としてはとても面白く感じている。

 もし、ご自宅に眠っている子供が使い古したレゴブロックが眠っているようであれば、皆さんの職場に持ち寄ってお試しされてみてはいかがだろうか?
レゴブロックが用意できないが何としてでもやってみたいという方は、N先生のよう「困った時の今立頼み」で、思い切って今立内科に連絡してみるのも一手かもしれない。

 もしかしたら、大量のレゴブロックを脇に携えた私があなたの元へ馳せ参じる? かもしれない(笑)

 


 

【過去のつぶやき】

【平成30年度】
■平成30年4月 若松区医師会訪問看護ステーション 管理者 児玉 美香代

【平成29年度】
■平成30年3月 粕屋医師会訪問看護ステーション 管理者 森 晴美
■平成30年2月 直方鞍手医師会 戸田医院 戸田 幸博
■平成30年1月 ハッピーライフ訪問看護ステーション
■平成29年12月 みずほ訪問看護ステーション 管理者 山本 広美
■平成29年11月 直方鞍手医師会訪問看護ステーション 管理者 倉田 美幸
■平成29年10月 大牟田医師会訪問看護ステーション 管理者 田中 千香
■平成29年9月 訪問看護ステーション心の花 管理者 鶴 法子
■平成29年8月 訪問看護ステーション スイ 管理者 冨安 智子
■平成29年7月 遠賀中間医師会訪問看護ステーション 管理者 桐田 可奈会
■平成29年6月 訪問看護ステーション ハートケア・いこい 西 智子
■平成29年5月 戸畑区医師会訪問看護ステーション 立石 純子
■平成29年4月 北九州ヘルスケアサービス 八幡訪問看護ステーション 和田 千代子

【平成28年度】
■平成29年3月 粕屋医師会 箱田病院 箱田 博之
■平成29年2月 アムナス博多訪問看護ステーション 管理者 野田 洋子
■平成29年1月 訪問看護ステーションはな 管理者 進藤 光代
■平成28年12月 株式会社耀・悠祐 訪問看護ステーションき・ら・ら 管理者 猿渡 祐子
■平成28年11月 医療法人 原三信病院 訪問看護ステーションおおはま 管理者 那須 百合美
■平成28年9月 直方鞍手医師会 (医)山近内科医院 山近 仁
■平成28年8月 社会保険稲築病院訪問看護ステーション 大里 幸子
■平成28年7月 飯塚医師会訪問看護ステーション 樋渡 弘子
■平成28年6月 嘉麻赤十字訪問看護ステーション 森山 英美
■平成28年5月 大川三潴医師会 訪問看護担当理事 宮崎憲一郎
■平成28年4月 訪問看護ステーションみやま 管理者 堀下 友行

【平成27年度】
■平成28年3月 医療法人社団 高邦会 やながわ訪問看護ステーション 武末 光子
■平成28年2月 大川三潴医師会 大川三潴訪問看護ステーション 宮原 和華子
■平成28年1月 手島内科医院 院長 手島久文
■平成27年12月 一般社団法人Q-ACT Q-ACT北九州 チームリーダー 須田
■平成27年11月 (株)ハートウェイ アウル訪問看護ステーション 管理者 友成 千賀
■平成27年10月 あったか訪問看護ステーション 所長 入江里代
■平成27年9月 有限会社在宅ナースセンター はんずあい・訪問看護ステーションはんずあい
管理者 小野 美智子
■平成27年8月 宗像医師会 理事・こじまクリニック 院長 小島 武士
■平成27年7月 株式会社せいか 訪問看護ステーションむなかた 塩宮 里香
■平成27年6月 福岡プライマリケア訪問看護ステーション
福岡プライマリケア株式会社   管理者・代表   熊谷 紀子
■平成27年5月 博多みずほ訪問看護ステーション  管理者  津田 梓
■平成27年4月 訪問看護ステーションいちばん星 所長 山下 郁代

【平成25年度】
■平成25年4月 北九州市小倉医師会訪問看護ステーション管理者 加藤 ひとみ

【平成23年度】
■平成23年4月 在宅サポートながさきクリニック 院長 長崎 修二

 

戻る
Copyright © 福岡県訪問看護ステーション連絡協議会 All Rights Reserved.