さらに、宗像地区だけでなく、県内他地区の訪問看護ステーションの支援もしており、関係職種からの電話相談も受けている。患者や家族の意向などの情報は、医師や看護師などの職種で異なる。情報共有に向けて、縦割りになりがちな関係の改善を提案し、医師、薬剤師、介護福祉士、行政(県や市)など他職種の研修会での講演も引き受けている。
県宗像・遠賀保健福祉環境事務所によると、県内の訪問看護ステーションは約270カ所。8割近くが5人未満で、10人以上のところは10カ所程度という。
最近では、看取りに消極的だった家庭が、介護指導と情報提供によって、次第に介護力をつけ、看取りを受け入れた事例の研究報告をまとめた。
保健文化賞は保健衛生の向上と研究に貢献した団体と個人に贈られる。今年度は応募59件から10団体と5人が受賞した。福岡の団体では2年ぶり14件目。贈呈式は25、26の両日、東京で。在宅支援室長の阿部久美子さん(54)は「公衆衛生で歴史のある賞をいただき、励みになります。地域の方々のために、今後も介護にかかわる人たちの橋渡しを続けたい」と話している。
(八板俊輔)
平成23年10月24日月曜日 朝日新聞より |